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また・・・不適切保育

全国私立保育園連盟が毎月発行している『保育通信7月号』に、不適切保育についての特集が掲載されていました。「学生が感じた不適切な保育」というテーマで3回連載されるそうです。著者は、 東京女子体育大学専任講師・臨床心理士・公認心理師・精神保健福祉士の青山有希先生です。


 青山先生は、大学等で実習指導などをされているそうですが、「もうあそこの園に行きたくない」と言った学生の話を不適切保育のケース1として挙げられていました。そう言った学生に詳しく話を聞くと、「①先生たちが基本的に子ども達に命令口調で話す②子どもを呼び捨てにしていた③給食では床に落ちたパンをそのまま食べさせていた④午睡中では子どもの様子を見て『こいつ起きてる』と先生同士で話をしていた」と、聞いているこちらも「噓でしょう?」と言いたくなるような内容が述べられたそうです。


 保育士の仕事に夢をもって実習に来た学生に、こんな姿を見せてしまうなんて・・・。『不適切保育』の根が深いことを思い知らされました。この園に通う子ども達や保護者の方の気持ちを思うと胸が締めつけられます。


 今までなぜこんなにひどい話が公にならなかったかというと、養成校の先生には、保育園に実習を引き受けてもらわなくてはという立場があったからだと思います。学生から聞く保育現場の酷い話を聞き流さなくてはいけなかった養成校の先生方は辛かったでしょう。


 大学を卒業して就職して半年くらい経った頃、卒業生が養成校に来て、「授業で習ったことと全然違う」「もうやめたい」という話をするということはよく聞く話です。


 青山先生は、このようなケースからでも、心理職として相談を受けた時に意識されていることがあるそうです。こんな行為をしてしまう「そうせざるを得ない何かがある」とその保育者の困り感や背景を理解しようとされるそうです。ケース1にも、保育現場の忙しく殺伐とした感じが影響し、組織も個人もゆとりを失い、焦りや苛立ちを抱えていることが窺えると分析されています。


 確かに保育現場は忙しく、ゆとりがないかもしれません。だからといって、そのストレスが一番弱い子どもに向けられていることを許してはいけないと思うのですが・・・。どこの保育園でもやるべきことは保育所保育指針に書かれています。全ての保育所の条件はそんなに変わらないのに、『不適切保育』がなぜ起こっているのか、原因究明が急がれると思います。


 保育所保育指針の総則にはこう書いてあります。「保育所は、子どもが生涯にわたる人間形成にとって極めて重要な時期に、その生活時間の大半を過ごす場である。このため、保育所の保育は、子どもが現在を最も良く生き、望ましい未来をつくり出す力の基礎を培うために、次の目標を目指して行わなければならない。」そのあとに、子どもの生命の保持と情緒の安定のために保育者が行わなくてはいけないことが続きます。もう一度基本に立ち返らなくては、保育園は社会からの信頼を失ってしまうでしょう。

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