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乳幼児期は思春期につながる

 昨日、スクールソーシャルワーカー・スクールカウンセラーの堀井智帆さんの『非行の根っこに寄り添う』という講演をお聞きしました。


 堀井さんは、『NHKプロフェッショナル仕事の流儀』にも出演されたことがあるそうです。堀井さんに初めてお会いしたのは、もう10年以上も前のことだと思います。知り合いの園長先生の同級生だったので、その方のご紹介で講演を聞いたのが最初でした。


 博多弁で軽快に話されるのですが、青少年センターで関わってこられたたくさんの非行少年・少女の話は今でも心に残っています。その当時、髪を真っ赤に染めて、バイクを乗り回す非行少年・少女たちに寄り添い、心が通じるととてもかわいいと仰っていたのが印象的でした。


 警察官をバイクでひき逃げした少年が電話した相手が堀井さんだったという話は衝撃的でした。堀井さんは、電話の内容にショックを受けながらも、最後には、「(電話をかけてくれて)おりこうさんでした。」と言われたそうです。いつもそう声をかけるそうです。大きくなっても、『おりこうさん』と言われると、恥ずかしがりながらも喜んでくれるという話を聞いて、叱られてばかりで、褒められた経験がないからかもしれないと思うと切なくなりました。


 なぜ非行に走るのか辿っていくと、乳幼児期の親子関係に行きつくと仰っていました。母親や父親に愛されたという実感がないままに成長すると、いつも心が満たされず、それを払拭するために暴力や犯罪に関わるようになったり、薬やアルコールなどに依存をしてしまうそうです。


 講演後、「今から、マークイズで起きた少年の殺人事件についてテレビ出演をするので打ち合わせに行ってきます。」と仰っていました。あの事件を起こした少年も、酷い児童虐待を受けていたそうです。


 「『三つ子の魂100まで』と言われますが、本当に乳幼児期の育ちが思春期につながり、人の一生に大きな影響を与えます。その一番大切な時期に関わっているみなさんの役割は重要です。」と言われた言葉を胸に、一人一人の子どもたち、保護者の心に寄り添うことができるようになりたいと思います。

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