絵本
絵本は、子どもだけではなく、大人が読んでも心を動かされます。
たくさんの絵本と出会って来ましたが、心の奥に大事にしまっている絵本があります。

だいじょうぶ だいじょうぶ
作・絵 いとうひろし
小さいぼくは、大きくなるにつれて、いろいろなことが怖くなります。友達・犬・車・・・そのたびに、おじいちゃんが、ぼくの手を握り、「だいじょうぶ、だいじょうぶ」と言ってくれます。
ぼくは、だんだん大きくなるうちに、怖かったものがそんなに怖くないことに気づきます。おじいちゃんがいつも「だいじょうぶ、だいじょうぶ」と言ってくれたから。
そして、「このよのなかは そんなにわるいことばかりじゃない」って思います。
ぼくがずいぶん大きくなった時、おじいちゃんはずいぶんとしをとりました。
ーベッドに横になっているおじいちゃんのそばでー
だからこんどはぼくのばんです。
おじいちゃんのてをにぎり、なんどでもなんどでもくりかえします。
「だいじょうぶ だいじょうぶ」
だいじょうぶだよ おじいちゃん
母が亡くなった時に、この絵本を町の本屋さんで見つけて、読んでいるうちに涙が止まらなくなりました。この世の中は悪いことばかりで、もう笑うことなんてできないと思っていた時でした。孫たちを全力で愛してくれた母のこと、病床の母を思う娘や息子のこと・・・いろいろな気持ちが重なって、涙が止まりませんでした。
絵本の言葉は、選び抜かれ、余分なものはありません。だからこそ、心に沁み込んで来るのだと思います。絵本は心のビタミン・・・なんて言われますが、ただただ子ども達には絵本をたくさん読んで、心を動かしてほしいのです。
前の園では、先生達が毎月2冊絵本を選んで買っていました。目の前にいる子ども達に一番いい絵本を選べるのは、いつもそばにいる担任の先生です。先生達が本屋さんに行って、子ども達の顔を思い浮かべながら絵本を選ぶ・・・・『りんごの花保育園』でも続けたいと思います。
『りんごの花保育園』開園まで49日