信頼関係

 人との信頼関係を築くのは大変だけれど、壊れるのは簡単だと言われますが、子どもと大人の関係においても同じだと言うことに気づかされました。

 京都大学名誉教授の鯨岡峻先生が、今月の保育通信(全国私立保育園連盟発行)に、保育者は子どもが自分の言うことを聞いてくれたり、何かできたら褒めると、それで信頼関係が築けたように思ってしまうが、それは保育者の一方的な思い込みで、信頼関係は一朝一夕に築けるものではないと書かれていました。

 鯨岡先生が研修で、「子どもとの間で、信頼関係はできていますか?」と訊ねると、多くの保育者は頷くそうですが、「信頼関係は、子ども達と先生の間にあるものではなくて、子ども一人一人と先生との間に成り立つものです。どの子も心の中で『先生大好き』と言っていますか?」と問いなおすと、みんな下を向いてしまうそうです。

 保育者が信頼関係を築けていると思っていても、一人一人の子どもが自分は大事にされている、愛されていると思っていなければ、信頼関係は築けないのですね。

 時には子どもと気持ちがすれ違って、信頼感が揺らぐことがあっても、それを乗り越えられるような気持ちが通い合う経験を何度も繰り返しながら、信頼関係は長い年月をかけて築かれていくもの・・・とも書かれていました。

 「この人だったら大丈夫」子どもにそう思ってもらえるには、日々の関わりの中で一人一人の思いに寄り添いながら、時には手を出したり、温かく見守り、「あなたが大好き」「あなたのことを大事に思っているよ」と言う気持ちを伝えていくことが大切なのだと思います。

 相手が子どもだと、すぐに信頼関係が築けていると思い込んでしまうのはなぜでしょうか。子どもは未熟なので、大人に従うのが当たり前と言う気持ちがどこかにあるからかもしれません。

 昨日、一昨日と昔の自分を振り返りながら、『先生大好き』と思ってくれた子ども達が何人いたのだろうと思います。「この人なら大丈夫」と子どもが思ってくれるようになれば、保育園での日々がより豊かに楽しくなり、そして一人一人の子どもの心が育っていくのだと思います。

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