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排泄の自立を心の発達へ

 少し前に、2歳児担当のM先生が、「トイレが自立するってすごいですね。他のことにも自信がもてるようになるみたいで、Iちゃんは今まで何度言ってもスプーンを上から握っていたのに、トイレの自立が完了したら、『先生、見てて』と言って、下から握って食べるようになったんですよ。」と教えてくれました。


 トイレトレーニングは、子どもにとっては人生最初の試練ですね。今まで好きな時に排泄していたのに、ある日、「今日からトイレトレーニング始めるよ。おしっこに行きたいときは教えてね。」と言われ、遊びの途中で何度も「おしっこ、大丈夫?」「トイレに行かないと失敗しちゃうよ」と声を掛けられるようになります。


 子どもは望んでもいないのに、トイレで排泄をすることを求められ、毎日毎日一日何回もトイレに誘われるのです。保育園では、お散歩の前や食事の前など、「さあ、これからお楽しみの時間が始まるよ」と言うときに必ずトイレに誘われるのですから、いやになってしまうのもわかります。


 2歳児は自己主張が強く表れる時期ですが、それにトイレトレーニングが重なるので、子どもも大人も大きな葛藤を抱えてしまいます。トレーニングがうまくいかずに、どうしていいかわからなくなってしまうのは子どもも大人も同じですね。自分で自分の欲求をコントロールすることは(それも人生初)とても大変ですが、これをがんばって乗り越えたことは子どもにとって大きな自信となります。


 りんごの花保育園では、歩くのが安定したら、オマルに座ることを始めます。オマルに慣れるとともに、排泄はトイレでするものという意識を持つためです。トイレでオマルに座っていると、他のお友達が排泄をする場面をたくさん見ることになります。これが保育園の強みです。


 言葉の理解も進み、身体の仕組みが整い、他の友達の姿を毎日見ていると、だんだんトイレで排泄することができるようになり、それが大きくなったという実感に繋がり、意識が高まっていきます。トイレの自立が完了することが、他の身辺自立や遊びの発展にも影響を与えます。


 大人ががんばりすぎると、子どもの心が折れてしまうこともあるので、そういう時は一休みすることも必要だと思います。トイレの自立には一人一人の子どもの家庭生活や性格なども影響するので家庭との連携も欠かせません。


 いつかはオムツが外れるからという考えもありますが、排泄の自立が子どもの心と身体の発達に与える影響は大きいので、トイレトレーニングの時期を見逃さないでほしいと思います。子どもはみんな大きくなりたいと思っています。

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