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視点

 神経発達症(発達障がい)と言われる子どもたちが増えてきたように思うのは、環境の変化が大きいようです。発達における『普通』という概念が、インターネットなどの多くの情報などに影響されて、以前より狭い範囲に限定され、『普通じゃないのではないか』と心配を掻き立てるようです。出生率の低下や子育ての孤立化も子どもを見る目に影響を与えているのでしょう。


 私が現場にいたころは30人くらいの子ども達を一人で担任していたので、そんなに細やかに一人一人のお子さんを見る余裕もなく、気持ちを聞くこともなく、指示を出すと子どもたちがついてきてくれました。多分同じ年齢の集団の中で、指示が理解できなくても友達の真似をしてついて来た子ども達もいたのではないかと思います。


 現在、保育園の4・5歳児は25人に1人の職員配置ですが、それでは難しいので複数担任が多いと思います。サポート保育のお子さんがいれば、さらに職員の数が増え、大人の眼が行き届くので、心配なことや気になることが目につきやすいのかもしれません。


 卒園児の子どもたちが小学校に楽しく通っているという話を聞いて、あまり心配しなくてもいいんじゃないかと思うようになりました。座れない、話を聞けない、すぐに感情が高ぶって手が出てしまう姿を見ると、小学校の授業についていけるかな?友達とうまく付き合えるかな?などと就学前は不安になりましたが、小学校に行くと意識も変わるようです。


 その年齢に沿った子ども自身の成長があるので、小さいころにあまり心配し過ぎない方がいいのかもしれません。気になるところではなく、できることや良いところに目を向けると、また良いところを発見することができるでしょう。人間は自分のこれまでの経験や得た知識などを通して人を見る傾向にあります。長い間保育園でたくさんの子ども達を見ていると、気になるところにばかり視点を向けて子どもたちを見てしまっているのかもしれません。もっと大らかに長い目で見守っていきたいと思います。 

 
 
 

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