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子どものウソ

子どもはウソをつきます。いろいろな思いでウソをつきます。◯◯になればいいなと思って話したことが、大人にはウソをついたと思われることもあります。

 叱られたくなくて、自分を守るためにウソをつくこともあります。必死になってつくウソです。でも、大人は、子どものウソに対して敏感ですね。小さい頃からウソをつくと、大人になってからもウソをつくのではないかと心配だからでしょうか。

 「怒らないから、本当のことを言って」と言われて、本当のことを話したら、ひどく叱られたというのもよくある話です。

 保育園に勤めて2、3年経った頃、子どものウソで、とても悲しい思いをしました。

 5歳児の担任をしていた時、Aくんという身体が小さい男の子が、女の子達にいじめられていたことがありました。それを知ったお母さんは、当然ながら、ものすごく怒られました。

 Aくんのお母さんの話から、クラス内でそんなことが起きたことを知った私は、ショックで身も縮む思いでした。

 「今後は、しっかり子ども達のことを見ます」とお母さんにお話しした2、3日後の夜、主任の先生から電話があり、A くんのお母さんから、お怒りの電話が掛かってきたことを知りました。

 急いでAくんの家に行くと、小学校教諭であるお母さんに、すごい形相で問い詰められました。

 「今日も、Aは友達にいじめられて、それを先生に言ったのに何もしてくれなかったと言ってます。どういうことですか?」

 Aくんについて、私自身も神経質になっていたので、Aくんからそんな話を聞けば必ず対応したはずです。いくら思い返しても、Aくんからそんな話は聞いていません。

 何でAくんがそんなウソをついたのかわかりませんでした。呆然とお母さんの話を聞いていると、「うちの子は、生まれてから1度もウソをついたことはありません。」と言われ、その言葉を聞いて、Aくんのことがかわいそうになりました。

 子どもだってウソをつきます。◯◯だったらいいのにという思いででた言葉が、大人からみればウソをついているように思えるかもしれません。自分を守るためにウソをつくこともあります。

 ウソをつくのはいけないことです。でも、大人の言動が子どもにウソをつかせてしまうことがあることを忘れてはいけないと思います。

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