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資格

 昨年、園バスの中に5歳児が取り残されて熱中症で亡くなるという取り返しがつかない事件が起きてから1年が経ちました。


 社会福祉法人施設の財務内容は、誰でもインターネットネットで閲覧できるのですが、事件を起こした保育園の法人会計を閲覧した公認会計士さんが、あの保育園には相当な財力があったのに、運転手を雇用していなかったのは悪質だと話されていました。


 どんなに悔やんでも亡くなってしまった命を取り戻すことはできません。あの事件で園長と保育士の2名が刑事責任を問われています。


 14年前に同じように園バスに取り残されて子どもが亡くなった事件でも、園長の過失が問われました。この二つの事件の共通点は、どちらの園長も保育士資格を持っていなかったことです。


 資格を取るには、大学等で規定された科目の単位を取るか、年2回実施されている一般保育士試験に合格しないといけないのですが、その合格率は20%程度です。


 それだけ保育士資格には、乳幼児期に関わる者としての重責があるのだと思います。


 幼い子ども達は、大人の不注意で大きな怪我をしたり、時には命の危険に晒されることもあります。子どもの特性や心身の発達についての専門的な知識が必須なのは明らかです。


 これまで、子育ては誰もができることだと保育士の仕事が軽視されてきた帰来がありますが、どんなに大変な仕事であるか、また、子ども集団を育てる視点からどれだけ専門性が要求されるのか、ようやく社会で認識されるようになりました。


 いつも、誰かが犠牲にならないと社会の仕組みや制度を変えられないのは、本当に悔しいです。もうこれ以上犠牲になる子ども達を出さないために、子どもを守る資格や制度、仕組みを堅牢なものにしてほしいと思います。

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