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普通ってなんだろう

 りんごの花保育園の職員勉強会でお話を聞かせてもらいたいと思い、今日は障がい者施設の支援員をされている方のお話を聞きに行きました。


 その方は、障がい者施設で支援員として21年勤められていて、ご自身も、障がい認定は受けていないものの、人とは違う感覚をもって生活されてきたそうです。


 人とは違う感覚・・・例えば雨が降って体に当たると痛いと感じたり、人のことがモノとしてしか認識できないので、人にも自分と同じような気持ちがあることがなかなか理解できない、小さい頃は、食べ物の好き嫌いが激しく、決まったものしか食べれないし、そもそもなぜ食べなくてはいけないかがわからなかったと話されていました。


 人に言われて嫌だったのは、「普通は〇〇でしょう。」と普通を押しつけられることだったそうです。普通がわからないのに、普通にしなさいと言われても、どうすればいいのかわからない。今は何がなぜ嫌なのか言語化できるけど、小さい頃は自分の気持ちを話すこともできず、「〇〇しなさい!」と言われる言葉に従わなくてはいけなかったことが苦痛だったと話されていました。


 障がいがあると言われる方の気持ちや感覚が理解できるので、入所者の方に慕われているのでしょうね。施設にとって貴重な人材です。そんな方がそばにいてくれると、安心して生活できると思います。


 私たちは無意識的に、自分は普通だと思い、子どもにも自分の普通を押しつけてしまいます。子どもにとっては、それがとても苦痛だったり、普通じゃない自分には価値がないように思ってしまうかもしれません。普通ってなんでしょう?本当に自分は普通なのか、そして普通がいいのか考えさせられました。


 人間は一人一人違うのですから、もっと一人一人が自分らしく生きられる道があってもいいはずです。その方に会うまでは、きっと生き辛い人生を歩んで来られたのだろうなと思っていたのですが、人のことが気にならないので、そんなことはないそうです。人に気を遣わないので、無愛想とか付き合いづらいと思われることも多いそうですが、それも気にならないと話されていました。却って、周りの人の気持ちばかり考えて悩んでいる人を見ると、「生き辛そうと思う。」と言われていました。そうかもしれませんね。


 なかなか伺うことができないお話を聞かせてもらって、また視野が広がった気がします。一人一人の子どもが自分らしく毎日を過ごせるように、まだまだやらなくてはいけないことがあると思いました。

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