保育者としての適性

 一昨日、福岡県主催の掛札逸美先生のリモート研修『保育施設の安全管理に関する研修会』を受けました。掛札先生は、心理学博士、NPO法人保育の安全研究・教育センター代表理事で、保育施設の重大事故やリスクについて調査し、常に最新の情報発信をされています。


 7月に、中間市で認可保育所の送迎バス内に取り残された児童が死亡するという痛ましい事故が起きたことを受けて、福岡県では『児童の車両送迎に係る安全管理標準指針」が策定されました。その策定メンバーとして掛札先生も関わられたということで、研修が行われたようです。

 

 これまで園バスの運営については、保育施設と保護者の私的契約として安全管理の基準が示されていなかったそうです。事故の報道を見た時に、園長が一人で運転し、補助の先生が乗車していなかったのが不思議だったのですが、安全基準がなかったからということを知りました。


 普通に考えても、小さい子ども達だけで座席に座らせるのは怖いです。車の運転はもともとリスクが高い上に、何か起こった時に対応する大人が運転手しかいないなんて考えられません。園バスの運営を保育施設と保護者の契約だからと、基準を設けなかった国や県の責任は重たいと思います。


 歯に衣着せない掛札先生は、今回の事故後、園バスの送迎を辞めたこと、園長を辞任させたということで事故を起こした園の改善報告を福岡県が受理したことはおかしい。園バスを辞めればこのような事故がなくなるのか、園長を辞めさせればこのような事故は起きなくなるのか?と問いかけられました。職員間の連携や職員配置など根本的な改善をしなければ、また同じようなことが起こるかもしれません。

 

 今回のような「取り残し」「置き去り」「「閉じ込め」は、どこの園でも間違いなく起きていることを認識し、それを「何もなかったから大丈夫」と流してしまわないことが重要だと思いました。掛札先生の資料の中に、「小さな命を預かる人が持っているべき能力のひとつとして、『なにかおかしい(ことになりそうだぞ」と気づく力があること」と書いてありました。


 子どもは自分で異常や不安を伝えることができないので、いつもと違う子どもの様子に気づくことができる能力は保育者の必須条件です。毎日小さな命を預かっている責任の大きさ、重さを自覚しながら、豊かな活動を作っていくことの大変さを改めて感じています。

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