子どもの主体性を尊重するということ

 子どもの主体性を尊重した保育を実践して、20年余りになります。きっかけは、以前勤めていた保育園が代替わりして、息子さんが新しい園長になったことです。新園長は保育の経験はなかったのですが、ずっと続いてきた保育に疑問を持っていたのだと思います。


 それまで、運動会は鼓隊演奏をして、お遊戯会とは別に専門の講師の指導による器楽演奏を行なっていました。保護者の方の満足度が高く、園舎はかなり老朽化していたのですが、町で一番人気の保育園でした。鼓隊演奏、器楽演奏をやめる決断は相当なものだったと思います。


 私たちはと言えば、それをやめたら何をすればいいの?と暗中模索状態でした。その頃、主任になった私は、異年齢児保育や担当制を取り入れている保育園に見学に行ったり、実習をさせてもらったりして、新しい保育を勉強しました。


 主任になったと同時に、福岡県保育所連盟の副会長をしなくてはいけなくなり、日々ドキドキしながら必死だったことを思い出します。


 福岡県保育所連盟の役員になり、他の園の先生方の話を聞いたり、著名な大学の先生のお話を聞いて、それまでいかに自分が井の中の蛙だったかを思い知らされました。大変な日々を過ごしましたが、子ども主体の保育を学ぶことは、保育士としての自覚と責任の重さと喜びを感じられることでもありました。


 当時は、マネをしながら行っていた子ども主体の保育も、年月を重ねるごとに、成長する子どもたちの姿がその価値を教えてくれました。子ども主体の保育は、子どもを生き生きとさせるだけでなく、自分で考えて行動しようとする未来に必要な力を育てることに繋がります。


 子どもは未熟であるからこそ、挑戦する権利があり、失敗をする権利があり、リベンジする権利があります。可能性でいっぱいの子どもたちの選択肢を広げてほしいと思います。


 大人の言うことを聞く、手がかからない子どもにしないでください。あまり早くから、大人が望むことばかりを教えないでください。子どもたちにたくさん見せて、感じさせて、選ばせてください。失敗することを恐れて、先に答えを教えたり、手を出しすぎたりしないでほしいと思います。


 少子化になり、大人の目が行き届きすぎて、子どもたちが広い世界を見たり、感じたりする機会が失われているような気がしています。子どもたちには、自分の体や感覚を使って世界を知る、感じる時間をたくさん過ごしてほしいと思います。

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