子どもの事故
昨日、10カ月の赤ちゃんが赤ちゃん用のパンをのどに詰まらせて亡くなるという悲しい事故の報道を見ました。1年前は、幼稚園で出された給食のぶどう(ピオーネ)をのどに詰まらせた4歳児男児が亡くなっています。
誤嚥は、いつどこでも起こりうる事故です。赤ちゃん用のパン・・・何が赤ちゃん用なのかよくわかりませんが、パンは口の中の水分を急速に吸収するので、注意を要する食品です。随分前ですが、小学校高学年の男児が、給食のパンを競争して食べたために亡くなったこともあります。
誤嚥・・・一日3回の食事だけでなく、おやつを含めると何度もリスクがあることを忘れないようにしなくてはと思います。食べ物を飲み込むというのは、機能が未発達の乳幼児や、衰えていく高齢者の方にとっては怖い行為だと、保育の安全研究・教育センター代表の掛札逸美先生が以前話されていました。
教育・保育施設における事故防止及び事故発生時のためのガイドラインには、誤嚥について、以下のような注意喚起がされています。
・ ゆっくり落ち着いて食べることができるよう子どもの意志に合った タイミングで与える。
・ 子どもの口に合った量で与える(一回で多くの量を詰めすぎない)。
・ 食べ物を飲み込んだことを確認する(口の中に残っていないか注意する)。
・ 汁物などの水分を適切に与える。 ・ 食事の提供中に驚かせない。
・ 食事中に眠くなっていないか注意する。 ・ 正しく座っているか注意する。
昨年ピオーネを咽に詰まらせて亡くなった4歳男児の事故検証報告書を読むと、幼稚園では給食を委託業者に委託して、園としての関与があまりなかったこと、男児には睡眠時無呼吸症候群で扁桃炎とアデノイド肥大による手術が予定されていたもののコロナのために延期になっていたこと、当日鼻水が出ていて口呼吸で嚥下がしにくかったことが影響を与えたのではないかと書いてありました。
いろいろな要因が重なったことが、かけがえのない子どもの命を奪ってしまったのかもしれません。子どもが抱えているリスクを職員間で共有できていなかったこともリスク要因です。事故はどこでも起こる可能性があります。情報共有を行い、対応策について研鑽を積み重ねていかなくてはと改めて思っています。
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