実家のような保育園
- 智子 大瀧
- May 15, 2023
- 2 min read
20年ほど前、福岡市が公立保育園を民間委託するために公募をしたことがありました。どうしても自分の保育園を作りたかったので、無謀にも個人で応募をしました。応募書類を書き、保護者の方に向けてプレゼンテーションもしました。結果、なんの後ろ盾もなく、経済力もなかったので、見事に玉砕しました。
その時のプレゼンのテーマは「実家のような保育園」でした。当時、子どもが高校生と小学生で、塾の送り迎えをしたり、それぞれ難しい年ごろの大変な時期でした。主任だった私は、朝は7時過ぎに家を出て、夜は9時近くに帰宅する日々を過ごしていたのですが、それをずっと支えてくれたのは、実家の両親でした。
父は塾や習い事の送り迎え、母は、毎日子どもたちの食事の準備をしてくれました。実家がなければ、仕事を続けることはできませんでした。
子どもたちが病気になった時は、私の出勤前に家に来て病院に連れて行き、私が帰宅するまでずっと子どもたちの世話をしてくれました。思い出すと、感謝の気持ち以上に、負担をかけてしまったことに胸が痛みます。
実家のような保育園をつくりたいというのは、自分の経験からでした。「そんなに働かなくても・・・」「もっと子どもたちの世話をしたら・・」とも、「子どもたちがかわいそう」「そんなにほったらかしてたら、まっすぐ育たないよ」とも言われたことはありません。いつも何も言わず、支えてくれた両親には頭が下がります。
転勤などで実家が遠く、周りに頼る人が誰もいない中で子育てをがんばっている方がたくさんいらっしゃいます。私はこんなに両親に支えられたのに、親孝行もできないまま両親が他界してしまったので、その恩に報いるためにも、保護者の方にとって「実家のような保育園」になって、働きながら子育てをされている保護者の方を支えたいと思っています。まだまだ余裕がなく、不十分なことばかりですが、保育園に来たら安心する、保育園はいつも支えてくれる、保育園があるから大丈夫・・・と思ってもらえるような保育園を目指したいと思っています。
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