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理想の午睡

 りんごの花保育園の保育は、この5年間で職員間の共通理解が進み、子どもが主体的に生き生きと過ごせる保育ができているのではと自負しています。りんごの花保育園の保育がいいと入園を希望される方も増えてきているので、それはとても嬉しいことです。


 理想の保育を実現したいと思う中で、課題の一つが午睡(お昼寝)です。全国私立保育園連盟発行の保育通信9月号に、幼児教育研究家の井桁容子先生が午睡について書かれていました。


 育児雑誌の“子育て相談SOS〟に、保育園に入園したばかりの1歳半の子どものお母さんからの相談が掲載されていたそうです。


 子どもが保育園でお昼寝ができず、お母さんがお迎えに行くと、保育者から「お母さん、お宅のお子さんは、今日もお昼寝しませんでした」と言われ、「すみませんでした」と謝るしかなかった。数日後、再び担当の保育者から「お母さん、寝ないのでどうにかしてください!」と強い口調で言われ、登園させることが重荷になっている。保育者の手を煩わせているのは重々承知しているが、手立てはないのか、自分の思いを保育園側に伝えてよいものか迷って、不安な毎日を過ごしているという内容でした。


 井桁先生は、その子が安心できるようにならなければ眠ることはできないので、お昼寝ができないのは保育士とのアタッチメントができていないことが原因ではないかと思うと書かれていました。


 子どもがお昼寝をしないことを保護者の責任にして「どうにかしてほしい」という保育士がいることに驚くとともに、その保育士も保護者に強い口調で言わなくてはいけないほど追い詰められていたのかもしれないとも書かれていました。


 みんなが一緒に眠ってくれればいいのですが、それぞれ就寝時間も起床時間も、体力も体格も違うので、そうはいきません。保育園では、起床時間や個人差を考えながら、一日のスケジュール(特に未満児は食事時間と午睡時間)を決めているのですが、なかなか予定通りにいきません。


 寝かしつけがうまくいかない時に、保育者がナーバスになりやすい理由は、同僚の保育者の評価を気にしているということが意外に多かったりすると書かれています。早く寝かしつけられる=能力の高い保育者、なかなか寝かしつけられない=能力の低い保育者と見られることが怖いのではないかとも書かれていました。『保育者アルアル』かもしれません。


 子どもに手早くごはんを食べさせられる、オムツをサッサと替えられる、有無を言わさずにトイレに連れていくことができる保育士が評価された時代がありました。子どもの主体性を尊重し、一人一人の気持ちに寄り添いながら関わることが大事と言われる今の時代はそんな評価はなくなったと思いますが、どうでしょう?


 それでも、集団生活をしている保育園で、子どもが自分で眠りにつき、自然に目が覚めたら遊ぶことができる保育はなかなか難しいです。りんごの花保育園でも、午睡は課題で、子ども主体の午睡ができるようになりたいと願っています。



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