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譲れない思い

 進級して9日目。だんだん慣れて来て、はな組(2歳児)の表情もリラックスしてきました。食事はどうかな?と見に行くと、進級ならではの光景に出会いました。りんごの花保育園の給食は、好きな席で好きな友達と自分で決めたタイミング(時間は決まっています)で食べるようになっています。でも、2歳児は進級した高揚感で食事がしっかり食べれなかったり、せっかく身についていた食事のマナーが崩れてしまうので、1か月くらいは一番前の中央の席に座って、担任の先生がしっかり見守ることにしました。


 5歳児のお兄ちゃんがいるMくんは、給食の時間になると、お兄ちゃんと一緒に一番前の真ん中の席に座りました。5歳児のHくんに、「ここは、はな組さんの席だからね」と言うとすんなり移動してくれたのですが、お兄ちゃんと食べようと思っていたMくんは納得できません。大きな声で泣いて「にぃにの横がいい!」と主張しました。


 しばらく見守っていたのですが、泣き続けるMくんに「ここははなぐみの席だからね」と言うと、泣きながらお兄ちゃんのそばに移動し始めました。お兄ちゃんの横にはすでに他のお友達が座っています。お兄ちゃんの横に座りたいMくんの主張を通してあげたいという気持ちと、泣いたら主張が通るという経験をさせるのはどうなんだろう?と思う気持ちの狭間で心が揺れました。


 なんとか納得してもらおうといろいろ声をかけたのですが、やっぱり聞いてくれませんでした。その後、担任のY先生が話しかけ、一番前の席に戻ったMくんを見て、「なんて言ったの?」と訊くと、「『給食をここで食べたら、おやつはお兄ちゃんの横で食べていいよ』と言ったんです」という答え。なるほど・・・。子どもも全面撤退はできないけど、別の提案をされたらそれで気持ちを切り替えることができるんですね。叱らずに、でも大事なところは守って難局を乗り越えたY先生に拍手です。

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