出逢い
- 大瀧智子
- Feb 2, 2018
- 2 min read
30年以上前、4歳児を担任したことがあります。26名の子ども達の中に、重度の知的な遅れがあるお子さん、身体が不自由で装具を付けていたお子さん、情緒の遅れがあるお子さんがいました。当時は、加配の先生もいなくて、知識もないまま、とにかくみんなと同じようにさせることが一番の目標でした。言葉がわからないのに、みんなと一緒に話を聞かせようとしたこともありました。思い出すと、申し訳ない気持ちでいっぱいになります。当時はとにかく必死で、毎日疲れ果てていました。振り返ると、子どもたちにも保護者の方の気持ちにも、全く寄り添えていなかったと思います。
それから16年後、重度の知的な遅れがある1歳児のお子さんを担任しました。お母さんは、すでにお子さんの障がいを受け入れていて、同じ障がいをもつ子の親の会に入って、様々な講演会を聞きに行き、熱心に勉強をされていました。そのお母さんから療育センター等の情報を教えてもらい、一緒に講演を聞きに行ったこともありました。そのお母さんのお子さんを理解したいと思って行動される姿を見て、自分にできることがたくさんあることに気づき、実習や見学をさせてくれる施設を探して勉強しました。
「障がいがある子が楽しく活動できない園なら、他の子にとっても同じ」と言われた講師の先生の言葉が心に残っています。幼児期の活動は遊びが中心です。リフレッシュが目的である大人の遊びと子どもの遊びは全く違います。遊びは一人ひとりの子どもにとってそれぞれに意味があり、夢中で取り組むからこそ、様々なことを学びます。どの子も夢中になれる遊びを見つけられるよう環境を整え、子どもの発見を見逃さず、次の課題を準備して遊びを広げて深めていくことが幼児教育なので、障がいがあっても、なくても関係がないはずです。
一人のお母さんとの出会いが、私の視野を広げ、遊びの大切さ、一人ひとりの子どもを大切にするとはどういうことかを考える機会を与えてくれました。
1年生になったF君に会った時、私の名前をちゃんと覚えていてくれました。今は17歳。どんな大人になっているのでしょう。温かい家族に囲まれて、穏やかに過ごしていると思います。
『りんごの花保育園』開園まで58日
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