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言葉の獲得

4歳児のEくんは、4月の入園式直前に中国から日本に来ました。中国では、大きな幼稚園で友達がたくさんいて、活発に過ごしていたようです。

 入園当初のEくんは、日本語が全く分からず、いつも不安そうで不満そうな表情をしていました。私もどうしていいかわからず、中国語のカードを作ったりしてコミュニケーションを取ろうとしましたが、今この時の思いを言葉にしたいEくんは、とてももどかしそうでした。

 6月頃、担任のN先生が、「私達が話していることは大抵わかっているみたいですよ。」と言っていたのですが、私には伝わっているという実感があまりありませんでした。それでも、朝の歌や季節の歌をとっても綺麗な日本語で歌ったり、少しずつ友達と遊ぶ姿を見て、ほっとしたのを思い出します。

 秋になって、Eくんの日本語が急激に増えました。Eくんに、「A先生、何歳?34歳?」と言われたA先生が、「Eくんのおしゃべりにはびっくりしました。年齢もなかなかいいところを言われました」と笑いながら話してくれました。

 最近は、誰よりも大きな声でおしゃべりをしているEくん。「園長先生、早く来てよ。積み木作ったの、壊れちゃうよ」「これはね、こうして、こうやって作ったんだよ」と、びっくりするくらい上手に話してくれます。お父さんとお母さんに代わって日本語の通訳をすることもあるそうです。

 話したい、伝えたいという気持ちが、言葉の獲得につながることがEくんの成長を見てよくわかります。Eくんとおしゃべりを楽しめるようになってもちろん嬉しいのですが、Eくんが毎日楽しそうに登園して来てくれることが何よりも嬉しいです。

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