多数決

 M先生が、NHKラジオで放送された横浜創英中学・高等学校校だった工藤勇一先生の『多数決を問い直す』という番組を紹介してくれました。いつもいろんな情報を教えてくれて勉強になります。


 多数決で決めるのは民主主義の基本だと思っていましたが、工藤先生は、数の論理で決めてしまうのは、冷たくて乱暴な方法ではないかと問われました。確かに多数決で決められると、何も言えなくなってしまいます。


 少数派の人の意見を聞かずに数の論理で決めてしまうと、困る人がいることやその気持ちを想像したり、その思いを聞こうとする気持ちさえ動かなくなってしまいます。工藤先生のお話を聞いて、これまでの教育の中で、多数決で物事を決めるのは当然で、それが公平だと思い込まされてきたことに気づきました。


 集団の中で何かを決めるとき、それぞれの意見を聞く場をつくることが大切です。なんのために決めるのか目的をはっきりさせること、そしてそれをみんなで共有することが必要だと工藤先生は話されていました。決まったことで、困る人がいないか、誰一人取り残すことがないように、話し合う経験が大事なのですね。


 私が経験してきた多数決は、なるべく効率よく早く決めることが目的で、その場の空気で同調したり、小さな声を聴く雰囲気がない集団の中で行われてきたように思います。子どもの頃から多数決で物事を決めることに慣らされ、それが民主主義だと思わされてきたことに怖さを感じました。


 保育園でも、何かを決めるとき子どもの意見を聞いて・・・と思いながらも、声が大きい子、発言力が強い子の意見で決まることが多いように思います。まだ自分の意見を言葉でうまく表現できない子がいるので、一人一人の子どもの声を聴き、周りの子どもたちに伝えながら、みんなが納得できるような決め方ができるといいと思います。小さいころから、自分の意見を言っていい、聴いてもらえるという経験が、他の人の意見に耳を傾けるという姿勢になり、それが真の民主主義に繋がっていくのでしょう。誰一人取り残さない社会の実現のために、私たちができることを実践していきたいと思います。

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