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先日、自宅で映画「月」を見ました。映画館に行かなくても、少し待てば家で見られるので、とても便利な世の中になりました。


 2016年に重度障害者施設で元施設職員が起こした殺傷事件を扱った映画です。当時、朝のニュースで聞いた時は、大きな衝撃を受けました。その後、事件についての報道が続きましたが、なぜあの事件が起きたのか、今後起こらないために何をすればいいのか、まだ誰も答えを持っていないのではないでしょうか?


 映画の中では、重度障害者の方が出演されていて、その姿からも考えさせられました。対等な人間としてその権利を保障しようと行動できるのか、自分の中に差別意識はないのか、日頃蓋をしている自分の心と向き合わせられました。


 私の記憶の中にある当時の報道に沿って映画は進んでいきました。その施設の中で職員が入所者に暴力を振るったり、不適切な対応をするのを見て憤りを感じていた犯人が、やがて障害者は社会に必要がないと思うようになっていくのを見て、人間は環境でこんなに変わっていくものかと思い知らされました。


 当時受けた研修で、あの施設だから起きたことと講師の先生が話されていた言葉が耳に残っています。誰かが誰かを排除したり、不当な対応をしている時、それを肯定する人が否定する人を上回れば、そんな行為さえも正当化されていくのでしょう。誰かが「それはおかしい」「間違っている」と声を上げ、それに賛同する人がいれば流れは変わるはずです。そうやって職場風土は作られていくのだと思います。


 弱者を排除しない社会をつくるのは簡単なことではないでしょう。でも、それを作るのも壊すのも人間です。弱者を尊重する社会をつくることが、社会全体を良くすることに繋がっていくのだと思います。

 
 
 

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