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甘え

 「甘え」というワードは、心理学の中では「AMAE」とローマ字表記され、世界的にも認められている概念だそうです。「甘え」と訊くと、どんなイメージを持たれるでしょうか?


 若いころ、精神科医であり、精神分析学者の土居健郎が書いた「甘えの構造」を読みました。心理学の本にしては,珍しくベストセラーになった本です。乳幼児期に何を大切に子どもたちを育てればいいのか、その根本に何を置けばいいのか、悩んでいた頃に読んだ本です。


 保育園でも、子どもたちが自分で着替えなかったり、靴を履かなかったりすると、「自分でできるでしょ?」と言っている声を聞くことがあります。自分でできるのに、どうしてしようとしないのでしょう?したくないのではなく、子ども達は、「私のこと好き?私のこと大事だと思ってくれてる?」と心の中で聞いているような気がします。


 自分でできるのにしてほしいと言った時、「甘えている」「甘やかすと何もできない子になってしまうんじゃないか」と大人は思うのでしょうね。そんなことはありません。心が満たされると、「自分でしよう」という意欲が湧いてきます。そこまで待ってあげてほしいと思います。


 保育園の1・2歳児は9人の中の一人なので、自分の存在価値を危うく思う時があるのではないかと思います。子ども達には、甘えることができる人間関係が何よりも必要です。一緒にやってみてもいいし、「ここまで私がするね」でもいいし、「わかった、やってあげるよ」でもいいと思います。


 子どもたちは毎日本当にがんばっています。ズルをしたり、休むこともなく、いつも全力投球です。そんな子どもたちが「甘えたい」と言って来た時はしっかり甘えさせてあげてください。大丈夫。心が満たせたら、自分でやろうとする気持ちが必ず出てきます。急がず、ゆっくり、子どもの心の育ちを一番大切にしたいですね。

 
 
 

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