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オムツ

 ここ2、3年で、急に布おむつの話を聞かなくなったような気がします。それまでは、布おむつがいいか、紙おむつがいいか、それぞれ賛否両論あったのですが、だんだん話題にさえ上らなくなっています。


 日本では、1980年代半ばごろに、高分子吸収材の紙おむつが普及し始めました。私が上の子を出産したころです。でも、紙おむつを使うのは、手抜きのように言われたので、出かける時や就寝中に限って使っていました。


 子どもを預けていた保育園も布おむつが主流で、排せつ物を含んだ重たくて、きつい臭いがする布おむつを持って帰って、洗濯し、翌日の分の布オムツをセットするのが日課でした。梅雨時は洗濯物が乾かなくて、おむつが足りなくなるんじゃないかとドキドキしました。


 保育士として、布おむつと紙おむつ、どちらがいいか、どちらが早く排泄の自立に繋がるか、様々な場で意見交換をしました。布おむつの方が、濡れた感覚がわかりやすく、子どもが自分で訴えることが多いので、自立が早いと言われました。オムツ交換の回数が多く、保育士が子どもに関わる場面が増えることを考えても、布おむつがいいという意見が多かったように思います。


 布おむつと紙おむつを比べることさえなくなってきた現在、働く保護者の方が、紙おむつを選択するのは当然のことのように思います。布おむつに手間をかけるよりも、子どもに関わる時間が増える方がいいですね。布おむつの方が排泄の自立が早いというのも、どうでしょうか?一人一人の排泄の間隔を把握し、タイミングよく声をかければ、長時間濡れた状態でいることもなくなるので、布おむつの方が良いという根拠にはならないような気がします。


 悩ましいのは、紙おむつの消費量が増え、処分にコストがかかっていることです。消費した紙おむつを資源に変えられればいいのでしょうが、技術的にはまだ時間がかかりそうです。紙おむつを使っているのは子どもだけではなく、高齢者の方の消費が増加しているのも、頭が痛いですね。


 りんごの花保育園では、3歳児クラスに進級した時点で排泄の自立が完了していることを目指しています。いつかおむつは外れるからそんなに頑張らなくても大丈夫・・・と言われることもありますが、排泄が自立していると、誰かに言われて活動を妨げられることもなく、活動に集中できます。排泄が自立するというのは、自分の身体を自分でコントロールできるようになるということです。自信に繋がりますね。個人差に配慮しながら、できるだけ早く、紙おむつに頼らない生活ができるようにしたいと思っています。

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