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これからの働き方

 今週土曜日、来年度の採用試験をすることにしました。開園の時以来です。開園して5年目、新しい風を入れる時期に来ているのでしょう。


 2年間コロナ感染の中で、キャンパスライフを送ることができなかった人たちが採用試験を受けに来ます。それぞれの心がけ次第と言うものの、思うように勉強もできなかったかもしれません。学生の責任ではないのに、望むような勉強ができず、楽しめなかったまま就職をしなくてはいけないのはかわいそうです。


 保育通信12月号(全国私立保育園連盟発行)に、心理学博士の掛札逸美先生が、世界的に「大退職」が起こっていることを書かれていました。アメリカでは、新型コロナ流行前の職に戻らない、または就いている職を辞めた人が2,000万人以上いるそうです。


 家族や身近な人たちが新型コロナで何人も亡くなり、仕事や人生の意味を考え直したり、リモートワークの中で家族と過ごす大切さや、通勤で無駄にしていた時間の意味を考えたなどが、仕事を考え直すきっかけとなったようです。


 可能な業種は100%リモートに転換した欧米では、雇用する側も、企業周辺の生活費が高い地域に労働者が住む必要はないと考えるようになり、生活費が安く、のんびり暮らせる場所に移住してリモートで働ける企業に人気が集まり、同じ業界でも出勤するよう言われる企業からは退職者が大量に出ているそうです。


 その結果、飲食店や小売、保育・教育、倉庫・運送業など、もともと賃金が低く、感染リスクが高く、暴言や暴力を受ける確率も高い職業は深刻な人手不足となり、給与が上がっているそうです。


 掛札先生は、日本社会は学校を卒業して就職したら同じ仕事を続けることを良しとする文化が今も続いている。仕事を始めてから「自分に合わない」とわかることもあり、ある程度働いたら、「こっちに進みたい」とわかることもある。合わない職業で働き続けるのは、本人にとっても周囲にとっても社会にとっても損害で、生産性も下がって当然と書かれています。


 就職したら、ずっと働き続けてほしいと思ってきましたが、これからの人たちは、自分が考える幸せな人生を歩むために、今、そして将来を見通して働き場所や職業を選んでいくのでしょう。ちょっとうらやましいような気がします。

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