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深くて広くて複雑な心

 昨日のブログに水着に着替えるのが間に合わなくて、大泣きした子がいたことを書きました。りんご3組(5歳児)のQくんの名誉のために、あまり詳しく書かない方がいいかなと思ったのですが、今日改めて考えると、すごく深いイイお話なので伝えたいと思います。


 りんご3組は、りんご1組(3歳児)、2組(4歳児)の後に体育教室があります。他のクラスが活動している間、好きな遊びをして、時間になったら着替え始めます。Qくんは着替えるのに思ったより時間がかかったのでしょう、「りんご3組の体育教室を始めます。」という挨拶の時に間に合いませんでした。


 「待って!」とQくんは言いながら着替えていたのですが、間に合わないとわかると、「もういや!こんなの全部いや!」と大泣きし、怒ってしまいました。先生たちは、「大丈夫だよ。今から行けばいいんだから。」と言ったのですが、Qくんの耳には届きませんでした。

 

 1階の事務室までQくんの泣き声が聞こえてきたので、見に行くと、うずくまって大声で泣いているQくんの姿が見えました。担任のY先生がなだめていたのですが、「もういや!Y先生なんて大嫌い!」と気持ちがなかなか収まらなかったようです。


 夕方、Y先生がお母さんにその話をして、Qくんは帰っていきました。その後、「〇〇(Qくんの名前)」とQくんが小さな声で電話を掛けて来てくれました。Y先生に取り次ぐと、「Y先生、大嫌いなんて言ってごめんなさい。」と謝ってくれたそうです。


 どうすればいいのかわかっているのに、自分で気持ちを切り替えることができない苛立ちを大好きなY先生にぶつけてしまって、さらに悲しい気持ちになったのですね。おうちに帰っても、それが気になって仕方なかったのでしょう。


 今朝、お母さんにお会いしたら、「昨日寝る前に、『Y先生に電話をしてよかった。これで寝られる。』と言って寝たんですよ。」と話してくださいました。とっても繊細で複雑な思いでいっぱいのQくんの心の中を覗くことができたような気がしました。5歳児は、私たちが思っている以上に深くて広くて複雑な心を持っています。目に見えるものだけを見ていたら気づくことができません。行動の裏にある深くて広くて複雑な心にもっと寄り添いたいと思いました。

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