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社会を変える力

 身近に不登校になったという話をよく聞くようになりました。全国調査では、令和4年度小中学校の不登校の生徒数は30万人にも上り、令和5年度はさらに増加しているでしょう。昨日見ていた研修動画で、不登校の生徒が30万人いるというのは、今の学校制度がNO!を突きつけられているということだと言われていました。


 一番最初にNO!を突きつけたのは発達障害の特性を持つ子ども達かもしれません。みんなと同じ狭い空間で同じ内容を同じような速度で学んでいくのは、発達に課題がある子どもたちにとってはとても大変なことです。「わかりません」とか「もう少しゆっくり説明してください」とか言える雰囲気が教室にはあるのでしょうか?


 明治時代と変わらない学校制度をいつまで続けていくのでしょう?これだけ社会が変化し、保護者の方や子どもたちの意識や価値観が変わっているのですから、変わらざるを得ないと思うのですが・・・。


 インクルーシブ教育・インクルージョン研究者の野口晃菜さんが、この社会はマジョリティ(多数派)の人がなんの努力もせずに恩恵を受けられるようなシステムになっていると話していらっしゃいました。もし、車いすの人が多数派であれば、社会のありようは全く変わります。マイノリティ(少数派)の人たちが日々経験していることを疑似体験するために『バリアフルレストラン』という動画が紹介されました。


 その動画では、車いすの人が多数派なので、天井は低く、車いすで動きやすいように床はツルツル、お皿や食器も下の方に並んでいます。レストランの入り口では「二足歩行の方は介助者がいないと中に入れないんですよ」と言われ、天井に頭をぶつけないよう気を配りながらテーブルにつくのですが、椅子がないので、立って食べなくてはいけません。ぜひ動画をご覧になってください。


 この社会がいかに多数派に都合がいいようにつくられているかを実感しました。多数派に所属しているというだけで、不自由なく生活できていて、反対に少数派であれば様々な不自由を強いられるのですね。


 誰もが生活しやすい社会、誰もが自分らしく学べる学校はまだまだ遠い未来だと思いますが、様々な場所で様々な人たちが今の社会システムや学校制度にNO!という声を上げています。たくさんの人の声が集まれば未来は少しずつ変わるはずです。

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