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依存症

 今年は、大麻や大麻グミなど薬物のニュースが後を絶ちませんでした。大学生だけでなく、中学生にも薬物が広がっている話を聞くと、本当に怖くなります。知り合いの園長先生から、勤めている保育士の方がオーバードーズで勤務が難しいという話も聞きました。この平和な日本でなぜたくさんの若い人が依存性のあるものに囚われているのでしょう?


 先日、研修動画を見ていたら、アルコール依存や薬物依存、ゲーム依存症は、自制心がないから依存から抜け出せないのではなく、心を癒すために依存しているという説が最近取り上げられるようになったと聞いて納得しました。


 何かに依存すると、それに浸っている時は気持ちが安定するのですが、だんだん耐性がついてきて、量や時間を増やさないと安心感が得られなくなってしまいます。そのため、だんだん依存するものの量や時間が増えていき、そこから抜け出せなくなってしまうそうです。


 その根本には乳幼児期の愛着関係が影響しているという話を聞いて、改めて乳幼児期の育ちが人の一生涯に大きな影響を及ぼす重大さについて考えさせられました。


 乳幼児期には、未知なものや危機を感じた時に、養育者(多くは母親)にくっついて安心感を得ることで愛着関係が築かれていきます。愛着関係がなければ、子どもはいつも不安定な心の状態のままで成長しなくてはいけません。この不安定な心の状態を埋めようとして、ある特定のモノに依存してしまうのが依存症の根本にあるという話を聞いて納得しました。


 同じ環境の中にあっても、依存症になる人とならない人の間には、乳幼児期の愛着の問題が関わっているとすると、その治療が困難であることは想像できます。


 依存症から抜け出すには相当な時間と労力(努力)が必要になります。一生抜け出せない人もいます。この依存症の仕組みをもっと社会全体で共有して、予防と治療に活かすことができればと思います。

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