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保育者の連携

 りんごの花保育園では、『自分で考えて行動できる子』を育てたいと思っているので、自分で選ぶ、自分で決める機会を意識してつくっています。朝と夕方1時間くらいは、園庭か保育室のどちらかを自分で選んで遊ぶのもその一つです。


 自由にさせると、自分勝手に振る舞うのではないかと思われるかもしれませんが、自分で選んだり、自分で決めると、ルールを知り、守ろうとする意識が強くなります。〇〇して遊ぶには、どこで誰と遊ぶのがいいのか・・・鬼ごっこをしたい時は、園庭がいい、人形ごっこ遊びがしたいなら保育室がいい、保育室で遊ぶなら、走ることはできないし、小さい子ども達がいるので、玩具を譲らなくてはいけない・・・そんなことを想像したり、考えたりしながら自分で遊ぶ場所を決めています。


 自分が自由に行動するには、友達の自由を守らなくてはいけないこともわかるようになります。自分で考えて、自らの意思でルールを守ろうとする気持ちが育っていくのですね。


 園庭や保育室を自由に往来する子ども達ですが、そのためには先生達の共通認識や、連携が重要になります。一人一人の子どもの情報も知っておかなくてはいけません。規模が小さい保育園だからという以上に、先生達が自分のクラスの子を抱え込まず、りんごの花保育園の子という意識を持っているからできるのだと思います。


 津守真先生の『保育者の地平』の中にこんな一文があります。


 クラス所属が子どもの見え方を変えることがよくわかったのは、私がクラス担任になったときであった。「担任になると、自分のクラスの子どもと他のクラスの子どもとを区別して見てしまう。そんなことはあってはならないと考えていても、他のクラスの子どもが泣いていたり、一人でさびしそうにしていると、そのクラスの担任は何をしているのかと批判の目で見る」。「クラス担任は明瞭にあるのだが、クラスの枠を緩やかに考え、学校全体の大人たちが互いに補いあって全体の子どもをみるという」ことを話し合って共通理解にしておくと、自分のクラス以外の子どもと出会うことを容易にする。その逆に、自分のクラスの子どものことはクラス担任が一番良く知っているという意識はクラスを閉鎖的にする。



 担任であるという責任感を持つことは大切ですが、子どもにとって、どの先生も自分のことをわかってくれる、困った時は助けてくれる、おもしろい遊びを一緒に楽しんでくれるなら、園全体が居心地が良く、安心して成長する場になることでしょう。


 クラス王国主義に陥らず、どの子もりんごの花保育園の大事な子として、全職員で関わることの大切さを感じます。

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