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異次元の少子化対策への期待

 岸田総理の異次元の少子化対策の中身が少しずつわかって来ました。少子化が待ったなしの問題であることを実感されていることがよくわかります。国の未来がかかっていますからね。


 先日、2040年に労働人口が1,100万人減少すると報道がありましたが、衝撃的な数字です。今でさえ、人手不足で困っている企業がたくさんあるのに、11,00万人の人手不足をどう補えばいいのでしょうか?AIが活躍する職種もあるかもしれませんが、人でなければできない仕事もあります。


 学校の先生や保育士など、人を育てる仕事はAIにはできません。それにもかかわらず、私が行っている短大では、保育科の学生数が減り、昨年度の3クラスから2クラスになりました。他の短大でも保育士養成の学科を希望する学生が減っています。少子化の上に、保育士の仕事の大変さ、待遇の悪さ、賃金の低さに加え、不適切保育でイメージが悪くなっていることが影響しているのかもしれません。


 平成28年に制定された子ども・子育て支援制度は、保育の量と質の両輪を目指していました。待機児童がなくなりつつあり、やっと次は質の向上に力を入れてもらえるのかと思っていましたが、今回の異次元の少子化対策の保育要件の緩和で、保育園に預ける人が増えれば、また量が拡大し、質が後回しになってしまうかもしれません。


 定員割れの保育園も増えていますが、それでも保育士不足は慢性化しています。保育の需要が増えても、保育士のなり手がいなければ、保育士の資格がなくても・・・という話が出てくるのがとても怖いです。保育の質の低下は、子ども達の育ちに直結します。


 AIに代わることができない保育士という職業がもっと魅力的でやりがいがあるものになるには、保育士の配置基準を上げ、処遇を改善することが必須です。子育て支援政策と少子化対策は、これからの日本の未来を左右する転換期のカギを握っています。異次元の少子化対策が、日本社会の未来にとって最良の選択をしてくれますように。


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