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誰でも通園制度

 来年度から『誰でも通園制度』が本格実施されます。福岡市でも一昨年前からモデル事業が展開され、実施された園長先生の報告も聞きました。現場の先生方は、在宅で子育てをしている保護者の方やお子さんの成長への支援に手応えを感じたという報告も聞きました。同じ区でも『誰でも通園制度』に取り組んでいる園の園長先生から、心配したほど大変ではないというお話も聞きましたが、りんごの花保育園で実施できるかどうかには不安があります。


 NHKラジオで、保育研究所の常務理事である逆井直紀氏が『誰でも通園制度』の課題について話されていました。逆井氏は、4つの課題を挙げられました。 


 1つ目は、受け入れ体制が不十分であること。モデル事業は認可保育園で行われているのですが、制度が本格実施されると、様々な事業形態が参入することになります。保育士資格を持っている人が半分でいいという体制で、保育事故が防げるか、とても不安です。


 2つ目は保育士の処遇改善。全国的に人手不足の保育園が8割以上ある中で、保育士の人材確保ができるのでしょうか?業務が増えることで、ますます保育士が現場から去ってしまうかもしれません。仕事に見合うだけの処遇改善が必要です。


 3つ目は利用上限時間が全国的には10時間であること(福岡市は40時間)。慣れにくいお子さんは、毎月利用するたびに泣いて過ごすことも考えられます。毎日、泣いているお子さんと過ごす保育士の負担も大きいと思います。


 4つ目は、本当に必要な人がこの制度を利用できるかどうかです。子育てに困難を抱えている人が自分からアクセスしないと、この制度を利用することはできません。リフレッシュやお子さんの経験を増やしたいという積極的な利用希望に貢献できても、本当に必要な人に支援が届くかは疑問です。


 これらの課題を解決するには、国や行政の積極的な関与が必要です。脆弱な制度の中で子どもや保護者の方々、保育士が苦しむことがないよう制度が充実することを願います。


 
 
 

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