愛着障害
- 智子 大瀧
- Aug 25, 2022
- 2 min read
昨日、和歌山大学教育学部教授の米澤好史先生の研修を受けました。テーマは、「愛着障害の理解と支援」でした。ずっとこの先生のお話を聞きたいと思っていたので、良い機会に恵まれました。
愛着障害と発達障害は、問題行動が似ているので、専門家でさえ見分けることが難しいそうです。そのため、不適切な支援をしてしまい、子ども達の問題行動が変容しないことがよくあるそうです。
愛着(アタッチメント)の重要性は、周知の事実ですが、正しく理解できているかと問われると、自信はありません。それでも、現代社会で起こっている様々な犯罪や非行などを愛着障害の面からとらえ直すと、納得することがたくさんあります。
先日も、女子中学生が自分の母親と弟を殺そうとして、その練習のために通りがかりの母娘を包丁で刺すという恐ろしい事件がありました。
女子中学生は、「母親が機嫌が悪いと
不機嫌になるのが嫌だったのに、自分も母親に似てきたのが嫌で殺意を抱いた」と語っていますが、これも愛着障害に起因するのではないかと勝手に思っています。
愛着障害の間違った認識として、4点を挙げられました。①愛着障害は、施設にいる子どもや虐待を受けている子どもに特有なものと言われているが、普通の家庭や誰にでも起こりうる。②産んだ親や育てた親のせいで愛着障害になるのではなく、関係性の障害なので、同じように育てても、兄には愛着障害がなくても弟にはあるなど、相性がある③愛着障害を修復するには臨界期・敏感期があり、ある年齢を過ぎると取り戻せない、手遅れだと思われているが、いつでも適切な支援があれば取り戻せる。④愛着形成や修復は親にしかできないと思われて来たが、誰にでも形成や修復は可能である。
どの行動や現象がどちらの障害が原因かを見極めて支援する重要性がよくわかりました。
愛着障害に起因する問題行動は、子どもだけでなく、大人にもあります。近年社会で増えている様々な犯罪の根っこにあるのは愛着障害かもしれません。もっと正しく理解して、誰かの支えになることができればと思います。
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