真実
- 智子 大瀧
- Apr 13
- 2 min read
もうすぐ公開される映画「でっちあげ~殺人教師と呼ばれた男~」は、20年前、全国で初めて教師による虐めが認定された事件が元になっています。その現場が福岡で、しかもりんごの花保育園の子ども達も通っている小学校と知り、大きな衝撃を受けました。
20年前、そんな事件があったことさえ覚えていません。福岡市や市教育委員会、知っている地名、病院の名前などが載っている原作のドキュメンタリー小説を一気に読みました。なぜ当時のことが記憶にないのかわかりませんが、本当に衝撃的な事件です。
平気で嘘をつく母親と子ども(小学4年生)に、日本全国の人々が翻弄されるのですが、なぜこのような冤罪が起きてしまったのか、小説を読んでもよくわかりませんでした。管理者(校長・教頭)にやってもいないこと(体罰)を小学校の体面を守るために認めろと言われ、認めてしまった教師。そんな教師を執拗に追いかけ、好き勝手に書きっぱなしのマスコミ。背景をしっかり把握することなく、PTSDの診断を下し、精神病院の閉鎖病棟に子どもを半年も入院させた大学病院の医師。母親と子どもの言い分を疑いもせずに信じ、大弁護団を立ちあげた人権派と言われる弁護士・・・。
全員実在の人物なのがとても怖いです。学校は20年も前から、保護者からクレームがあれば、しっかり調べることもなく、騒ぎが大きくならないように、とにかく謝るという体制になっていたことが驚きでもあり、悲しくもありました。そんな体制では教師の成り手はますますいなくなってしまうでしょう。
あまりにも近い場所で起きた事件に心が乱れました。今年もその小学校には卒園児が入学しました。20年も前のことにはなりますが、当時のことを知っている人達はこの映画をどんな気持ちで見るのでしょう?
一番気になるのは、小学4年生の子がどのように成長しているのかということです。大人に振り回され、嘘をつかされ、いろんな人にバッシングを受けて、心には大きな傷が残っているはずです。今回映画化したのはなぜでしょう?一気に読み終えたドキュメンタリー小説ですが、ずっと心に重たいものがひっかかっています。
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