福祉
- 智子 大瀧
- 4 days ago
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今日は児童発達支援事業所開所の時にお世話になった児童発達支援センターの理事長先生の研修を受講しました。もともと歯医者さんで、障がいのある人を対象に長年治療をされながら、障害福祉に深く関わっていらっしゃいます。障がい者・児の方への思いは深く、温かく、圧倒されました。
一番心に残ったのは、海外の福祉の考え方です。北欧は72%が税金なので、貯蓄をしなくても生涯安心して生活できます。高い税金は、結果の平等に使われます。医療においては、延命措置をすることはなく、その分、治る見込みのある人の医療費に使われます。アメリカが自由診療で、医療費を払えるかどうか個人の責任に帰されるのと対照的です。
日本は皆保険制度なので、医療機関は悪い評価でも努力しないとも話されていました。それぞれの国の考え方が、反映されているのですね。一国民として選ぶ権利はなく、国の方針に従うしかないのが現実です。
日本の福祉は制度なので、税金が投入され、様々なサービスが受けられますが、北欧の福祉は文化なので、人が人を助けるのは当たり前のこととして社会に根づいているそうです。北欧では、車椅子の人のためのエレベーターは少なく、そばにいる人たちが当然のように車いすを抱えて階段を上がってくれるそうです。困っている人がいたら、近くにいる人が手を差し伸べる・・・福祉が文化として根づくというのはそういうことなのですね。
日本の福祉が文化になるのは何年先になるのか?と講師の先生がおっしゃっていましたが、現状では想像することもできません。児童発達支援事業所を開所したのは、困っている子ども達が毎日もっと楽しく過ごせるように、そして困っている保護者の方の支えになりたいという思いからでした。でも、現実はそこで働く人たちの給与を保障し、経費を維持するために収支のバランスを考えなくてはいけない毎日です。現実と理想の狭間で心が折れそうになりますが、開所の時の思いと、目指したい社会をいつも心に留めておきたいと思います。
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