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言葉

 新年度、ご両親が外国人の3歳児のAくんが入園してくれました。笑顔がかわいくて、3歳児とは思えないほど大きな男の子です。英語が話せないので、日本語でいろいろ話しかけたのですが、ほとんど応答がありませんでした。


 お母さんは日本語が堪能ですが、お父さんはあまり話せないようです。毎朝送ってこられますが、とても大らかな方で、日本語で話しかけると、笑顔で挨拶をしてくださいます。


 先週金曜日、お父さんと登園してきたAくんが、階段を上がるときに、リュックを落としたので、拾って手渡すと、「ありがとう。」とはっきりと笑顔で言ってくれたのでびっくりしました。


 ご両親のお話では、お家では3か国語を使っていて、聞き取ることはできるそうですが、日本語は話さないそうです。0歳児の時から日本の保育園に通っていたそうですが、担任の先生は、Aくんに話しかけるときは英語で話しかけていたということでした。


 それを聞いた担任のM先生は、「私はAくんと話すときは日本語にします。」と言っていました。M先生は英語が話せるので、Aくんの担任でよかったと思っていたのですが、日本語を話せるようになってほしいとご両親が思ってあることを聞いたM先生は日本語で会話をするように決めたようです。


 人間はどうやって言葉を取得していくのかまだよくわからないそうですが、赤ちゃんは、母国語を聞き分けられるそうなので、たくさんの言葉を聞いて、取捨選択しながら少しずつ自分が必要な言葉を覚えていくのかもしれません。


 2年前、中国から来日して3日後に保育園に入園したBくんは、まったく日本語が話せなかったのですが、3か月で聞き取れるようになり、1年後にはご両親に通訳をするまでになりました。子どもはみるみる言葉を習得しますね。年長児になったBくんは、みんなの憧れの存在になっていました。


 インターナショナルスクールで保育士として働いていた娘から聞いた話ですが、年長児で完璧に英語で話していた子ども達も、小学校に行って英語を使わなくなると、夏休みにはほとんど話せなくなるそうです。毎日話すことがとても大事なのですね。


 母国語と日本語を使っている子ども達は、言葉が通じない、自分が思っていることがうまく伝わらなくて、たくさん葛藤を経験しているでしょうが、その分、伝えるために頭の中はフル回転しているのでしょう。今は大変だと思いますが、2か国語、3か国語が話せるのは、社会に出たときに大きな力となりますね。


 私は日本語しか話せないので、もっと英会話を勉強しておけばよかった・・・。それでも、Aくんと話ができるように、たくさん話しかけて仲良くなりたいと思います。

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