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話を聞く力

 大人は、子どもに「話が聞ける子になってほしい」と思っていますよね。私もずっとそう思ってきました。話を聞けないと、大事な情報が入ってこないし、適切な行動がとれません。話を聞くのはとても大事なことです。

 

 もう一つ大人が話を聞ける子になってほしいと強く思うのは、学習に結びつくからですね。話が聞けないと、勉強ができない・・・でも、ただ聞けばいいわけではありません。話を聞きながら、イメージを広げ、過去の情報や知識と結びつけながら思考することで理解が進みます。


 そのために、保育園でも「話を聞く力」を育てたいと思ってきました。でも、話を聞く力は主体である子どもが話を聞きたいと思わなければ育ちません。大人が「手はお膝。お口はチャックして先生の話を聞いて(もうそんなことは言わないですね)」と言っても、黙って座っているだけで話を聞いていなければ意味がないと思います。


 話に興味を持って聞こうとする力はどうやって育てたらいいのでしょう?・・・ということで、保育所保育指針を開いてみました。1歳以上3歳未満児の保育の「言葉」のねらいは①言葉遊びや言葉で表現する楽しさを感じる②人の言葉や話などを聞き、自分でも思ったことを伝えようとする③絵本や物語等に親しむとともに、言葉のやり取りを通じて身近な人と気持ちを通わせる。


・・・と書いてあります。みんなで一緒に座って話を聞く態度を身につけるとは書いてありません。具体的には、保育士が子どもの言葉に耳を傾け、応答的なやり取りを重ねていくことが子どもが自分の気持ちを伝えようとする意欲を育むことに繋がり、保育士の話や言葉におもしろさや魅力を感じたり、友達とのやり取りを楽しんだりすることで保育士や友達の言うことをわかりたいという気持ちが膨らむ。このように、日々の生活や遊びにおいて人とのかかわりが充実する中で、子どもの話すこと、聞くことへの意欲が高まっていくと書いてあります。


 長い引用になってしまいましたが、大人が子ども達を集めて「静かに話を聞きなさい」と指示をするのではなく、温かい人間関係の中で、話を聞きたい、わかりたいという気持ちを育んでいくことが大切ということだと思います。焦らずに、今この時を一緒にいられる嬉しさを言葉に乗せて伝えていきたいと思います。

 
 
 

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