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人権

 昨日は身が引き締まる研修会を受講しました。講師の子ども総合研究所代表の新保庄三先生のお話はぜひ聞いた方がいいと他の園長先生に言われて出席したのですが、自分自身と保育を振り返らなくてはと思わされるお話でした。  


 それぞれの園には、こんな子どもを育てたいという保育理念があると思うが、それより前に大事なのは「人権」であり、昨今の不適切保育は、その意識の薄さから起こっていると断罪されました。


 新保先生は、アドバイザー、カウンセラーとして全国様々な保育園から要請を受けて多忙な毎日を送っていらっしゃいます。昨年保育士が逮捕された静岡県のさくら保育園にも関わられているそうです。


 様々な事例の中で一番心に残ったのは、一人親家庭のお子さんが虐待で亡くなった話です。10代で出産したお母さんは、ハンディがあるお子さんを育てていました。そこに、体格がいい柔道の強化選手になったこともある男性がその家庭に入り、自分を睨んだとそのハンディがある男の子をボールのように投げて命を奪ったそうです。


 保育園に通っていたその男の子の担任がずいぶん辛い思いをしているだろうと、新保先生は自らカウンセリングを名乗りでたそうです。男性の担任は、ずっと辛い思いを抱えたまま、その園で仕事を続けていました。亡くなる前日、門のところから走って来たその男の子を両手を広げて受け止めたことが忘れられないと話されていたそうです。もっとできるようになってほしいと叱ったことをとても後悔しているという話を聞いて、新保先生は、保育士として子どもをよくしようと思うよりも、子どもを愛し、そのままでいいと受け止めることの方がずっと大事なことと話されていました。


 心が痛みます。今よりよくしてあげたいと思う心が働いてしまいますが、子どもにとってはそんな叱責よりも愛されていると感じ、存在そのままを受け入れてもらっていることの方がずっと大事なことですね。子どものために叱っているつもりですが、子どもはそんなことを望んではいないのでしょう。


 「子どもではない。そこにいるのは人間である」重たい言葉です。いつも子ども達と向き合っているからこそ、もっともっと人権意識を高めなくてはと思います。

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