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保育の質

 私は生まれてからずっと博多区の実家で育ち、家庭を持ってからも実家の近くに住んでいたので、西区のことはあまりよくわからないまま引っ越してきました。博多区と言えばなんとなく賑やかな町のようなイメージがあるかもしれませんが、博多区の端の方なので、50年住んでいてもあまり変化がない場所です。


 でも、一番多感な時期を過ごしたところなので、思い出はいっぱいあります。今日は、中学生の同級生が訪ねて来てくれました。りんごの花保育園の子ども達2人のおばあちゃんとして・・・。

 

 昨年の運動会の時、「もしかして〇〇じゃないですか?」と旧姓を言われたときは、本当に驚きました。この仕事に就いて30年以上になりますが、こんな形で同級生と再会したのは初めてです。そのうえ、同じ職業に就いていらっしゃると聞いてさらに驚きました。


 今日は、子ども達のおばあちゃんとしてではなく、同じ仕事をしているということでお話に来てくださいました。保育について語り合うのは、いつでも、どなたとでも、それが同級生であればなおさら楽しいです。


 職員勉強会でどんなことを話し合うかについて聞かれました。昨日のブログにも書いたように、園の保育目標を具体的に実践するために、子どもをどう理解し、どんな関わりをすればいいのかについて話し合うこともあります。


 20年以上続けてきているのは、実践記録の検討です。各クラスで、子どもとの関わりで困ったこと、心に残っていること、感動したこと、成長に気づいたことなどについて、詳細に記録し、考察したものをみんなで読み、感じたこと、自分だったらと思うことなどを話し合います。実践記録を元にみんなで話し合うと、子ども観や保育観が近づくように思います。


 京都大学名誉教授の鯨岡先生が、保育の質を高めるためにエピソード記述を書くことを推奨されていますが、本当にそうだと思います。他の人の子どもの捉え方、関わりを聞いて気づかされることがたくさんあります。


 子ども(大人もですが)は、様々な関係性の中で成長しています。友達との関係、保育者との関係、(私たちには見えにくいですが)おうちの方との関係、環境との関係・・・それぞれが子どもの心身の発達に影響を与えています。この関係性は、目には見えませんが、文章にすると見えてきます。


 子どもの言葉を聞いて、私(保育者)がどう感じたか、どんな願いを持って子どもに声を掛けたかなど文章にすることで、私(保育者)の思いがくっきり浮き上がって来ます。その言葉を聞いて子どもはどう感じただろうか?と振り返り、自分の言葉を反省することも屡です。


 実践記録を書くというのは、自分の心と向き合うという苦しい仕事でもあります。それをすること、それを乗り越えることで、子ども理解が深まり、保育の質が高められるのだと思います。


 

 

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