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職員配置の改善の行方

 異次元の少子化対策の中で、保育士の職員配置の改善が検討され始めています。75年ぶりに改善されるのでしょうか?目が離せません。具体的には、現在1歳児の6人に1人の保育士配置が5人に1人に、4・5歳児の30人に1人が25人に1人という案が上がっています。


 2歳児はしっかり自己主張をしたい時期なので、1歳児と同じ5人に1人の職員配置になってほしいと思います。4・5歳児は20人に1人でもいいのでは?と願いを込めて思っています。海外に比べて、まだまだだとは思いますが、手厚ければ手厚い方がいいと思っているわけではありません。


 現在、りんごの花保育園の4・5歳児は36名。コアな時間、保育士は5人の時も6人いる時もあります。配慮の必要なお子さんもいるのでそれだけの配置ができるのですが、6人に1人ってどうなんだろう?と時々思います。


 もちろん、りんご組保育室に行くと、3つに区切った保育室の中にそれぞれ1~2名、屋上園庭にも1名の先生がいるので、一人一人の子ども達が自分の好きな遊びを選んで遊んでいます。困ったときは、すぐに先生が助けてくれ、泣いたらすぐに声を掛けてくれるので、子ども達はとても安心だと思います。子ども達がマットを出してほしい、〇〇の遊びがしたいと言えば叶えてあげられることも多いのもいいなと思います。


 でも、海外はさらに手厚い職員配置なので、もっと丁寧な保育ができるのでしょう。そんな手厚い職員配置の中で保育をしたことがないのでわかりませんが、子ども同士の関わりの頻度や質はどうなのだろうと思います。子ども同士、助け合ったり、力を合わせることができる4・5歳児には、友達から助けてもらった、手伝ってもらって嬉しかったという経験をたくさんしてほしいと思います。その中で、友達っていいなと思ったり、友達の役に立てた自分に自信が持てることがたくさんあるのではないでしょうか?


 3歳児は、4・5歳児に憧れの気持ちを持ったり、憧れのお兄さん・お姉さんから手伝ってもらうことがとても嬉しかったり、その姿を見ることで、少し先の自分の姿をイメージできるのではないかと思います。4・5歳児は、自分より小さな子ども達に頼りにされることで、もっと大きくなりたいという意欲が育っていくのだと思います。


 25年ほど前、異年齢保育を始めた時、1クラスの子どもの人数は30人、先生は2名でした。年齢ごとのクラス編成よりも、異年齢クラスにしたことで、子ども達の姿がみるみる変わっていきました。自分より小さな子ども達に優しく、小さな子ども達は年上の子ども達をとても頼りにして、先生たちにしてもらうよりもお兄さん、お姉さんにしてもらう方を選びました。そこで確かに子ども達の心が育ったのです。


 職員配置が改善されるのは嬉しいことですが、単純に多ければ多いほどいいとは思えません。子ども達に育っていほしい力を職員全体で共有したいと思います。



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