- Dec 5, 2019
帚目
保育士になって働き始めた保育園の園長先生は、ご高齢の神社の神主さんで、厳しい方でした。 私達の動きが悪いと、すぐに「このやぶれ保母が・・・」と怒られました。今だったら、パワハラです。でも、本当は思いやりがあって、福祉のために私財を投げ出し、ご自身は粗末な家に住まわれていて、尊敬できる方でした。保育について指導されたことはありませんでしたが、掃除は厳しく指導されました。 炎天下での溝掃除と草取り、神社の落ち葉掃除、下の道路から保育園までの坂道の掃除・・・雨が余程ひどくない限り、園庭を掃いて松葉箒で箒目を入れるのが日課でした。園長先生の機嫌がよくなるからとそれは代々受け継がれました。 りんごの花保育園の前に勤めていた園の園庭は、広くてとても帚目などつけられなかったので、毎朝箒目を入れていたことをすっかり忘れていました。 りんごの花保育園の園庭は狭いので、朝、門の前に立つ当番の日は、箒目を入れることにしました。松葉帚で掃くと、ゴミだけでなく、大きな石、動物の糞など、危険なもの、不衛生なものがあればすぐに気づくことができます。厳しく掃除を指導してくれた園


- Dec 4, 2019
パン屋開店しました
りんごパン屋(5歳児Rちゃんが名づけてくれました)が開店しました。登園後そわそわしている5歳児のYくんが、園庭から事務所の窓をノックして、「今日は10時からだよ」と何度も教えてくれました。 10時半にパン屋が開店。待ちかねたりんご3組(5歳児)とりんご2組(4歳児)のRちゃんが、呼び込みを始めました。 つぼみ組(1歳児)・はな組(2歳児)の子ども達が次々にパンを買いに来ました。綺麗にパンが並んだ棚と、生き生き働くお兄ちゃん、お姉ちゃんに気圧されたみたいでしたが、「ドーナツ、はいどうぞ。」と渡されると、とっても嬉しそうでした。 子ども達で役割分担を決めたようで、接客をする子、パンを包む子、袋に入れる子と、とても手際が良くて驚きました。 りんご1組(3歳児)の子ども達が買い物に来た時には、ピザは売り切れでした。ドーナツやメロンパンは在庫があって、品薄になると、さっと新しいパンを並べられます。子ども達は、本当によくお店の人の言葉を聞いたり、動きを見ているのだなと思いました。 買いに来た子ども達に、「一人2個です。」と言っていたのですが、誰かが「先生は何


- Dec 3, 2019
パン屋開店します
明日は、いよいよ(やっと)りんご組(3・4・5歳児)のパン屋さんが開店します。その準備で、午後から事務所の前はとっても賑やかでした。りんごの花保育園の玄関奥がパン屋さんになりそうです。 2階からパンを置く棚を下ろしてきて、きれいに掃除してパンを並べる子ども達。「大きい順番に並べた方がいいよ。」「2番目はドーナツね。」「買ったパンを入れる袋、足りるかな~?」と会話も弾みます。 通りがかる先生たちに、「明日パン屋が開店するから買いに来てね。」「この前渡したお金も忘れずに持って来てね。」声を掛けられた先生たちは、「やっとパン屋が開店するんだね。楽しみ。絶対買いに行くね。」と子ども達がかいがいしく働く姿を見ながら、楽しそうに応えていました。 パン屋さんを開くには、たくさんのパンが必要ですが、同じものを作るのに飽きてきて、なかなかパンの製造が進まなかったそうです。子どもは新しいもの(こと)が大好きなので、他に興味が移ったりして、やっとここまでこぎつけたみたいです。 せっせとパン屋さんの開店を準備する5歳児に混じって、4歳児のRちゃんがいました。5歳児がして
- Dec 2, 2019
ながら運転
もう12月。年々月日が流れるのが早くなるように感じます。クリスマスやお正月と楽しい行事が待っているのですが、12月と聞いただけでなんだか慌ただしい気持ちになってしまいます。 1年の最後の日までに、やり残したことがないようにしたいと思うのは、日本人独特の気持ちでしょうか?車も急に多くなるので、いつも以上に気をつけなくてはと思います。 12月1日から〇〇しながら車の運転をする『ながら運転』が厳罰化されました。『ながら運転』が引き起こす痛ましい事故が増えているからでしょう。最近、携帯電話を見ながら運転している人をよく見かけますが、20秒も30秒も(それ以上も!)携帯を見て運転するなんて信じられません。車は『走る凶器』と言われますが、急に前の車が停まったら、どうするのでしょう?自分が人の命を奪うかもしれない凶器に乗っている自覚があるのでしょうか。 散歩中の保育園児の列に突っ込む事故も後を絶ちません。怖くて散歩に行けないと思うのですが、子ども達は散歩が大好きです。散歩に行かなくては見られない風景やできない経験があります。もうこれ以上子ども達から散歩の機会を
- Dec 1, 2019
大きくなりたい気持ちと
金曜日の朝、門の前で登園して来る子ども達を出迎えていた時のお話です。 いつものように、お母さんときょうだい4人で登園してきた3歳児のA 君が、門のところにいる私の側に一人でやって来ました。Aくんは、1歳児のYくんとお父さんが登園して来るのを見て、「小さい子は小さいね〜」と一言。おもしろい表現に思わず笑ってしまいましたが、どんな気持ちで言った言葉なのかわかりませんでした。なんと言っていいかわからず、「そうだね〜」とまたつまらない返事をしてしまいました。 「ほら、園長先生見て、もうA はこんなに大きくなって、こんなとこも届くよ」と思いきり手を伸ばしました。「本当だね。大きくなったね」 自分より小さい子を見て大きくなった自分を感じて、「小さい子は小さいね~」と言ったんですね。Aくんの心の中が少し見えたような気がしました。 その後に登園して来たのは、2歳児のYちゃん。お母さんに抱っこされて登園です。 「Yちゃんは、いつもおうちでは自分のことを『お姉ちゃん』と言ってるけれど、朝は歩きたくないから、『Yちゃんはまだ小さい』って言うんですよ」とお母さんが話して