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育児の大変さを理解してほしい

 一昨年、児童虐待で亡くなった子どもは54人。1週間に1人の子どもが命を落としています。無理心中で亡くなった子どもは、そのうち29人。先日も、9歳と4歳の子どもをマンションから突き落として自分も飛び降りて亡くなったお母さんのニュースがあり、心が痛みました。


 夏休みになって、娘が子ども二人を連れて帰ってきていて「なんで子どもを突き落としたんだろうね?子どもには子どもの人生があるのに。お母さんが育てられなくても、他の人が育ててくれるのに・・・」と話しました。でも、そんなことさえ考えられなかったほど、お母さんは追い詰められていたのかもしれません。


 子育ては大変。やっとこのことがみんなに認知されるようになりました。でも、本当にその大変さをわかっている人はどのくらいいるのでしょう?先日広島県尾道市で『先輩パパからあなたへ』という冊子が発行されたのですが、批判が殺到して配布中止になったそうです。


 子どものいる家庭の父親に実施した「(産前産後の)妻のこういう態度が嫌だった」「妻に言われて嬉しかった言葉」などのアンケートの結果が掲載されていて「女性のつらさを理解していない」などの非難が殺到したそうです。


 批判の対象となったのは、「妻のこういう態度が嫌だった」との質問に、1位がわけもわからずイライラしている、2位が赤ちゃんの世話で忙しく家事ができていないという回答です。


 誰のために、何のために作った冊子か全然わかりません。出産という命を懸けた大仕事を終えたばかりのうえに、まともに眠ることもできない状態で赤ちゃんの世話がどんなに大変か、本当にわかっていないと思うと腹立たしくなりました。私が出産したのは、30年以上も前ですが、あの時のあの大変さは未だに心に残っています。

 

 娘もほとんどワンオペで育児をしているらしく、長い休みの時はすぐに帰って来ます。どんなに子どもがかわいくても、24時間体制はきついのでしょう。「ちょっと一人になる時間を作らないとおかしくなりそう・・・」と言って、子どもたちを寝かしつけてから自分の時間を作っています。私ももう少し手伝えればいいのですが、仕事があるので、ワンオペは変わらなくて可哀想な気がします。


 少子化に本気で歯止めをかけたいのであれば、まだまだたくさんできることはあります。社会全体で子育ての大変さを理解し、子育てをしている人に、誰もが温かいまなざしを向け、さりげない手助けができるようになるといいですね。

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